Mな女性にとっての理想のS(理想のご主人様)とは

【この記事を書いた人】
シマ

このコラムではMな女性にとっての理想のS(理想のご主人様)について、実際にM女性としてSM経験のある筆者が説明いたします。

「M女性のことをもっと知りたい」
「SMの世界をもっと理解したい」
「自分の奴隷を持ちたい」
「素敵なご主人様になりたい」

もしそういった思いがあるのなら、是非このコラムをご覧になってください。

M女性とはどんな人間であるか

まずM女性とは一体どんな人間なのか? M女性はただ多少性癖がMに偏っているというだけで、一人の人間であることを忘れてはいけません。

M女性はデリケートで感受性が豊かな方が多いです。そして、それを持て余し、あふれた感情で不安定になっている方が多いです。

その不安定さに付け込んで、自分の都合のいい女として“奴隷”にしている男性も居ますが、それは本当の意味でM女性を“支配”できているとは言えないでしょう。

M女性が求めるものとは

SMに絶対的正解はありません。

ただただ暴力的なものもあれば、全く痛みの伴わないものもあります。そしてM女性すべてが痛みや恥辱を求めているかと思ったら大間違いです。

痛みや恥辱はあくまでひとつのツールに過ぎません。M女性が本当に求めているもの、それは自己の開放、そして不安定な自分が他人(信頼できるご主人様)に管理されていることによる安心感です。

そして、そのために必要なのが服従する対象となる”ご主人様”なのです。

とはいえ、実際M女性とお付合いする上で必要な事は普通の女性とさほど変わりません。

M女性へのヒアリング

M女性へのヒアリングは大切です。

本人の好きなプレイ内容などを聞くためだけでなく、体調管理のためにも大切です。これからパートナーとしてやって行こうという相手であれば尚更です。

体調の良し悪しとか、生理中かどうかとか、あとは過去のトラウマ(たとえば「酷いプレイをされた」「以前の相手のここが無理だった」)なども聞いておくと良いでしょう。また、その内容によっては今後の予定を柔軟に変更して行くことも必要です。

また、ヒアリングは言葉責めの第一段階とも言えます。しっかりと相手の話を聞きつつ、ちょっとした隙をつついてやると、相手はよりこれからのあなたとの関係に期待してくれるでしょう。

M女性とのプレイ内容

SMに興味を持った人ならばやってみたいプレイの一つや二つあるでしょう。ただし、そのプレイがパートナーに適しているかをしっかりと見極める事が必要です。

現在SMプレイの中にはたくさんのカテゴリがあります。お互いそれが“アリかナシか”を確認しましょう。

感情・印象的な問題はもちろんですが、オーラルセックスやアナルプレイなどは体調に非常に左右されます。女性は膀胱炎や膣カンジタなど常在菌が原因となる病気に非常にかかりやすいです。風邪をひいて免疫が下がっているとか、膀胱炎の罹患歴がある場合は注意が必要です。

そしてSMプレイのレベル。これは「女性側の耐えられるレベル」と「男性側の技術レベル」の両方があります。

たとえば蝋燭プレイ。これは無知のまま仏壇蠟燭なんか使うと大変です。必ず専門店で超低温蝋燭を用意し、M女性の様子を見ながら少しずつ使用する蝋燭の融点を上げていきましょう。

男性のスキルでいうと、緊縛など。無理をすると彼女に一生ものの麻痺を負わせてしまい、訴訟沙汰・・なんていうことも本当にある話です。プロでもしょっちゅう起こる事故。決して無理はせず、少しずつ技術を磨きましょう。

M女性へのアフターケア

SMプレイは普通の性交渉などより遥かに身体に負担をかけます。いくら気にかけていても、時には出血や麻痺などが残る場合もあります。

プレイの最中に気をかける事も当然ですが、プレイの後や、別れてからもせめて一本、「今日は大丈夫だったか?」などと確認を入れる事を忘れないでください。

M女性の身体に痕を残した場合も気にかけてください。

多少の痕はSMの醍醐味とも言えますが、それを放置するようではS男性失格です。 M女性は痕に相手を想ってこそ意味を見出すのです。痕に相手を想えないようでは意味がありません。

S男性側の準備

清潔にするのは当然として、前日までに爪も短くしておきましょう。女性の身体は非常にデリケートです。意図した傷や痕はうれしいものですが、雑につけられた傷はすぐにわかります。

あとはプレイで使用する道具は必ず清潔に。使用の前後はよく洗い、アルコールなどで消毒をしておきましょう。

これは理想というよりSMプレイをする上での常識とも言えますが、感受性豊かなM女性は相手をよくよく観察しています。これらがしっかりなされているだけでもかなり印象が良いでしょう。

支配と服従

さて、ここまではプレイを中心としたSM関係について論じましたが、ここからは主従のSMについて書いていきたいと思います。

SMと言えば、ボンテージ姿の女王様が一条鞭をバシーン!と決めて「この豚野郎が!」のような、痛みや羞恥をメインとしたものをイメージされる方も多いでしょう。

しかし、私が思うSMの醍醐味は Domination & Submission(ドミネイション:支配 & サブミッション:服従)にあると考えます。

SはサービスのS?

「SはサービスのS、Mは満足のM」。こんな言葉を聞いたことはないでしょうか。

たしかに、ただ自分勝手な男性をS男性とは呼べないでしょう。

しかし、ならばサービスのSか・・?と言われると、私はそれはそれで違うのではないかと思います。それでは支配と服従とまでは言えないでしょう。

肉体的な快感を超えたところにある、幸福感。それが支配と服従のSMにおいて目指す場所なのではないかと思います。

肉体的な調教と違い、精神的な調教は目には見えません。奴隷を持つというのは、一人の人を育てるということです。

光源氏じゃありませんが、まだ未熟な女性を見極め、自分好みの女性に作り上げるということです。そのためにはちゃんと相手を愛することがまず大前提です。

M女性が求めるご主人様の役目

先ほども書きましたが、M女性は自身の感情を持て余し、不安定になることが多いです。ご主人様はそれを感じ取り、良い方向に導いてあげることが大切です。

とはいえS側もエスパーではありませんから、相手の考えをいちいち察してなどいられません。そのためには普段からよくコミュニケーションをとり、いつでも本当の自分を正直に出させる訓練をしておくことが大切です。

M女性は自分が嫌われることを極端に怖がります。「こんなことを言ったら嫌われるのではないか」「捨てられるのではないか」と考えては、秘密がどんどん増え、自分で自分の首を絞めて苦しむ面倒な生き物なのです。

最初は比較的言いやすい、今日あった出来事なんかを報告させるくらいが良いでしょう。正直に心の中身を出させる訓練をさせましょう。そのうち、奴隷はご主人様だけには正直にすべてを話せるようになるでしょう。

そしてご主人様の大切さ、感謝の念を持つようになり、自然とご主人様への奉仕の気持ちがあふれるようになります。

SMはSだけの為でもMだけの為でもありません。お互いがお互いに満たされるためのものです。

支配と服従のSMを目指すのであれば、本当に必要なのは言葉責めのための語彙力でも、相手を縛るための道具でもなく、精神的充足の上に成り立つ心の縛り方です。

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